冬に路面が凍結する地域では、いわゆる融雪剤と呼ばれる物が路面に撒かれ、歩行時の転倒や車の事故を防いでいます。

ところが、その影響は良いものばかりではなく、例えば車に付着するとそこから錆びてやがて穴が開く問題に繋がります。屋外に敷設するケーブルも同様に、付着によって被覆が劣化したり、内部に浸透して銅線を腐食させるといったトラブルが発生します。融雪剤は塩分や酸に由来するものが多いので、特に金属にとっては厄介ですし、防錆処理が施されている車であっても洗い流さないとダメージが残ります。

移動して洗浄できる車両はまだ良いですが、ケーブルとなると固定されるので、洗い流すのは非現実的ですし、定期的な交換も難しいので事前の対策が不可欠です。融雪剤が撒かれる地域でケーブルを敷設、設置する場合は、耐塩害仕様の製品を選定して、環境に合致するか確かめることが大切です。被覆が通常よりも強く劣化しにくいので、融雪剤がケーブルに浸透する心配が小さく、そして銅線が錆びて絶縁体が生じる恐れが大きく下がります。

電流量の多い電源ケーブルだと、緑青の発生によって電気抵抗が生じ、発熱したり発火に至る可能性が高まるので要注意です。融雪剤の影響は目に見えにくく、時間が経ってから発覚することが少なくありませんから、定期的なチェックが難しい場所の配線については、耐塩害仕様にするのが現実的です。弱電であれば危険性は小さいですが、それでも通信トラブルの頻発に結びつかないとも限らないので、コストを考慮しても通常使用の選択は避けることをおすすめします。

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